新年あけましておめでとうございます。2007年も様々なFlash情報をお届けしていきますので、本年もCloseUp Flashをよろしくお願いいたします。さて今回は、前回に続き2006年のFlashの動向について伺った対談をお送りしよう。
≪対談者プロフィール紹介≫
かーず…2001年11月より本格始動して早5年のFLASH兼萌え系ニュースサイト「かーずSP」管理人。大のFLASH好きであり、それが高じて今回『かーずSP選 FLASH大全VOL.1』(インフォレスト刊)を出すほどである
Gilcrows…国内外のWebアニメーション、モーショングラフィックスを中心に紹介するニュースサイト「GilCrowsの映像技術研究所」管理人。最近では、映像作品だけでなく映像作家にもスポットを当てた記事を紹介している
UG-K…ここを読んでくれている人なら当然知っているCloseUp Flashを支える国内最大Flashニュースサイト「イイアクセス」管理人。今回の対談のまとめ役。
≪連載Flashについて≫
UG-K:シリーズ物の作品についてはどうでしょうか?
GilCrows:livedoor ネットアニメの作品だと、実はこれがいちばん好きなんですけど。
かーず:「花山院ですが何か?」ですか?
GilCrows:一番っていうか、普通によくできてますよね、はっきり言って。絵うまいし。
かーず:月見堂さんって今年出てきた人ですよね。普通に内容が面白い。
GilCrows:2ちゃんねる用語出てくるんですけど、使い方がちょっとずれてる(笑)
かーず:なくてもいいかなって(笑)
あとこの歌ももうFlashファンにはおなじみっていうか。
GilCrows:俺もなんかいつかは使おうかなと思って買ったんですけど(笑)
かーず:買ったんだ!?
GilCrows:結局使わなかったですけど。
かーず:でも連載作品作っている人ってわりと定期的に更新してるよね。
GilCrows:そうなんですけど、うちではあんまり紹介してないっすよね。
シリーズ物って、いきなりばーって紹介しちゃうと、ちょっと難しいんですよ。
最近思ってるんですよね。くわがたツマミとかのシリーズものってどんどん長くなっちゃってるじゃないですか。いきなり紹介するのどうなのかなあって。
かーず:ツマミちゃんはまだ…ああでもあれか、新キャラが出てきたりすると…
GilCrows:ええ、難しくなってくるんですよ。
GilCrows:最近の傾向としては、オリジナルアニメだと続きがあるような感じがしていて、どんどんキャラクタの濃度っていうか、キャラをどんどん増やしていくとなると、作品数重ねていかないとなかなかキャラクタが確立できない。
かーず:そうだね。
GilCrows:でもいっぱい作っちゃうと今度は新規参入で、見てくれる人がなかなか取っつきにくいのかなあっていうのが。
マンガみたいだと、パッパッと見ちゃって…っていうのがあるけど、動画だとどうなのかなあって。
かーず:わりと俺のサイトだと最初からどうぞみたいな感じで、いちおうリンクは張るんだけどね。
前のとこまで戻って…だと見ないか。
GilCrows:いや、わかんないですけど、どうなのかなってちょっと俺考えたりしてたんですけど。
なんかあんまり続きものって、うち紹介しない…
かーず:そういう意味だと10話以上作られているシリーズ物なんてね、いきなり途中からだといっつも心配になる(笑)。俺らは見てるからいいけど。
GilCrows:難しいですよね。
≪海外で通用するFlashについて≫
UG-K:ゲームやインタラクティブ関係で今年気になったFlashはあるでしょうか?
GilCrows:「LineRider」いう作品、あれはかなり受け入れられた。
UG-K:海外では様々な超絶コースがアップされていましたね。
GilCrows:やりましたけど、無理でした。ふつうの人がああいうのつくるのは。
かーず:ピタゴラスイッチとかそれにしろ、言葉がないから世界に通じる。
GilCrows:ああ、それはありますね。
GilCrows:だからFlashって、ほんと言葉に依存しないから海外に通用すると思うので、見てもらえる機会があれば、海外でこそ広がっていく可能性があるんですよね。
そうすると、海外で話題になっているって言えば逆輸入みたいな感じで国内で注目されるっていうのもあるかなと。
「Nightmare City」なんかまさにそうだったんですけどね。海外でパロディFlashつくられたりとか。
かーず:ありましたね。
GilCrows:そういう感じで他の人に受け入れられる可能性もあるかも。
かーず:他の国の人ってイイアクとか見てるんですかね。
UG-K:ないですね、まず。ほとんどが日本からやってきたような感じ。
かーず:よくたまに外で、「newgrounds」とかどっかで転載されたりするじゃん。勝手に、「2ちゃんねる大王」とかもそうだけど。ああいうのってイイアク見てるんじゃないの?
どうやって探してるのかなって。
GilCrows:あれは、おそらくそういうのを見てる人がいるんだと思うんです。
それを介して、海外にアップローダーがあるんですけど、そこに行って見るんじゃないかと。
俺も最近海外のアップロードとか見たんですけどいろんなFlashがあって。日本のFlashがいっぱい。
かーず:見てる人は見てるってこと?
GilCrows:見てますね。
UG-K:けっこうみんな転載されたやつを見てくる人が多いんでしょうね。
かーず:制作者のサイトにはアクセスはしてないけどみたいな。転載したやつを見てる。
GilCrows:日本だってそうじゃないですか。他のサイトからの紹介によって海外のFlashが広まるみたいな。「Animator vs. Animation」とかみたいな。
かーず:ああ、そうだね確かに。そういう感じなんですよね、どこの国も。
≪今年の作品の傾向について≫
UG-K:そのほかに今年を代表する作品やジャンルなどの流れについてはいかがでしょうか?
GilCrows:代表っていうと、最近あったじゃないですか。
Flashのブームが衰退してきてるとかってていうネタ。そういう流れで言うと代表かも。
かーず:ああー。そんなネガティブな意味で。
GilCrows:ネガティブな意味になっちゃいますけど、でもその時もスレですでに、語られていたし。
「こんな感じだよね」とか言って。そういう裏の裏ていうか闇の流れでいけば、今年の代表ではありますよね、やっぱし。
かーず:最近のMG系ってどうですか?
MG系ていうかいわゆるPV系だったりとかしますけど。
それ以外ってそんなにあるのかな。
GilCrows:5iVESTARは、まさにPVじゃないですか。まあちょっと、アニメ系入ってますけど。
かーず:てか、PV系のカテゴリだけども、わりとアニメ系のこの…なんていうんだろう、
PV系やっぱ少なかったんですよ。正直。やっぱりストーリーに比べると、数は少なかったっていうかね。
GilCrows:少なくなってきてるんですか。
かーず:数は。要は、一定以上のクオリティに達してる、いわゆるPV系だったりとか、モーショングラフィックスの数は、少なくなってると思うんだけどな。
UG-K:コンスタントに作ってる人が少なくなってしまったのかもしれないですね。
GilCrows:ああ。まあそうですよね。あと、昔から作ってた人も最近あんまり、作らなくなっちゃいましたね。
かーず:新しい人って出てきてないの?
GilCrows:yama_koさんって、あれは今年でしたっけ、いや去年か。
去年の『Masquerade』のときにデビューした人。今年、大成しましたよね。
UG-K:そうですね。
かーず:「FLAME」のcrankyさんの曲はもうさんざん聴いてるんだけど、やっぱ映像がここまでいいとふつうに良いなって思えるあたりがFlashの力だな、と僕は思う。
GilCrows:光ってるのとか、あと空間の表現とかをFLASH8の機能で上手く使っている。MGだとやっぱり、映えますよね。
かーず:曲的にはもう、この3人何百回聴いてるんだって曲なんだけど、まだこうやってまだ新しくつけられる潜在的なものを秘めてるんだっていうか、モーションつくってる映像の才能がすごいっていうか。
MGもわりと表現は、「DE JA VU」じゃないけどもう限られてるって言うか、出尽くした感があるんだけど、そういう枠にとらわれてないあたりが、期待。
GilCrows:従来のFlash板のMotionGraphicsって、単純図形を組み合わせたようなものが多いですが、その流れの人ではこの人がやっぱり今年一番ですよね。
かーず:僕ら3人の、新人賞。
GilCrows:新人じゃないですよ。去年のMasqueradeからっていう話。
かーず:じゃあいちばん成長したで賞。
GilCrows:あんまりそういうのは……(笑)
UG-K:その他にMG系で活動的な人はいないですかね。
GilCrows:『閃』、あったじゃないですか。10秒イベントの。
あれに出てた、Kmxsさんの「B4AFTR」とORANGE AGEさんの「blink」でしたっけ。
写真をスクラッチするみたいな感じ。この辺が良かったです。
他にPVとかなんかありました?今年。
UG-K:アニメ系のPVがやっぱり多いですね。カギさんとかは今年いろいろ作ってましたよね。
GilCrows:多いっすね。
UG-K:どっか企業とねタイアップしたりとかね。
GilCrows:そうですね。
かーず:れんず屋のCMをnaeさんが作られたりしましたね。
GilCrows:ああ、ありましたね。
なんかプロとの、境目が無くなってきてるような感じがしますね。
(次回に続く)