Category Archives: Flash

【CloseUp Flash Reloaded】「空のエトラ」連載開始記念 森野あるじインタビュー


森野あるじさんといえばユージンで公開されているFLASHアニメ「ことと」やlivedoorネットアニメで公開されている「ホシノ☆オニオン」などファンタジー系FLASHアニメの第一人者であり、多くのFLASHクリエイターに影響を与えてきた。そんな森野あるじさんが、今月利用者参加型のマンガ翻訳コミュニティサイト『マンガノベルManganovel』にてオリジナルFLASHアニメ『空のエトラ』を配信開始した。今回は『空のエトラ』連載開始を記念して、本作品の制作に関する森野あるじさんへのインタビューをお届けしよう。



マンガノベルは日本のマンガを海外に広く紹介する目的で設立され、今回世界11ヵ国語によるフラッシュアニメーションの提供サービスを開始した。その第1弾としてFLASHアニメ『空のエトラ』がマンガ版と合わせて外国語に翻訳されて配信された。そこで本作品を海外展開するにあたって、これまでのFLASHアニメ制作との違いについて森野あるじさんに伺ってみました。


UG-K
作品概要の紹介をお願いします

森野あるじ
~羽根をもつ人類の住む大地。世界はブイヨ(暗黒)とよばれ る謎の物体に覆われている。ブイヨは少しずつ世界を蝕み、人々を苦しめ希望を奪ってきた。主人公の少女「エトラ」の乗る、飛行船はブイヨから、清浄な世界を取り戻すため、戦いに挑む。~

森野あるじ
故郷の村や育ての親である伯父を失い、絶望の縁に立つエトラ。
彼女が苦しみを乗り越え世界を救おうと立ち上がる、そんな少女の成長物語を描こうと思っております。

UG-K
今回の作品における見どころは?

森野あるじ
私の作品ではお約束になってしまいましたが、羽根をもつキャラクター達の飛行シーン。
不気味な敵、ブイヨとの戦闘などFLASHアニメで楽しんでもらえる要素を作っております。

森野あるじ
マンガは全編カラーで連載されますので、モノクロで表現しにくい世界観や空気感など意識し描いております。
FLASHとマンガではセリフ回しやカット割りなど違っており、両方で楽しんで頂けると幸いです。

森野あるじ
主題歌は初音ミクなどでおなじみの Otomania さんに制作していただきました。
エトラの世界観に合った、とても素敵な曲だと思います。見せ場で使っていこうと思っております。見どころというか聞き所ですね。

UG-K
FLASHアニメの制作はマンガをベースに作成されているのでしょうか? それともマンガを制作する段階で既にFLASHアニメのイメージも固まっているのでしょうか?

森野あるじ
マンガを先に描き、背景などをFLASHで流用できるように描います。FLASHアニメの事も考え、動きの見どころを作るよう意識して作品を書いております。

森野あるじ
マンガの方ではFLASHよりもセリフを増やし、描写も細かくなってますのでどちらも合わせて楽しんで頂ければと思っています。

UG-K
今回アメコミタイプのマンガ形式であったり、多言語への翻訳版が公開されるわけですが、海外の視聴者向けにあたりセリフ回しやキャラクタ設定などで注意した点などはありますでしょうか?



森野あるじ
私は英語も全くダメですので、言葉の部分では意識して描いていおりません。翻訳の方から、言葉のニュアンスを尋ねられたりしましたよ(笑)

森野あるじ
せっかくの他国言語対応の作品なので、文化的に片寄りのない全くの異世界モノで、キャラクターを人ですら無いものに設定してみました。



Otomaniaさんが制作した空のエトラ主題歌「涙」は初音ミクが歌っている。初音ミクが歌うことになったエピソードはOtomaniaさんのブログで紹介されている。
『空のエトラ』のFLASHアニメ版とマンガ版は毎月更新される予定。それぞれセリフやカットが違うようなので両方合わせて楽しんで頂きたい。

morinono – 森野あるじ ショートアニメーション
Otomania.net

Copyright (C) 1999-2008 Morino Aruzi / Manganovel

【CloseUp Flash Reloaded】POEYAMA特集


ポエ山氏といえば2000年頃のFlash黎明期から活動を開始しているクリエイターの一人であり、昨年「日本のメディア芸術100選」にも選ばれ、Flashブームの先駆けとなった作品「ゴノレゴシリーズ」が記憶に強い。
そんなポエ山氏が先月ホームページのリニューアルを機に新たに2作品を公開された。そこで今回はこれまでオンライン公開されていなかった2作品と共にポエ山氏の近況を紹介しよう。




quino and the MudRock

2003年にTechWin誌に連載されていた短編アニメの外伝を5つのパートによってまとめた作品であり2005年にmove on web.主催のイベントで上映されていたものの、ウェブでの公開は初である。episode IIの数年~数十後の世界という設定で描かれており、本編とは違ってストーリーよりも音楽と詩的な雰囲気を重視して制作されている。
ポエ山
雑誌連載で全6回だったのですが何にも考えずに始めたら非常に苦労しました。

ポエ山
おそらく雑誌的に求められている物は十秒程度の簡単なアニメーションと分かりやすい制作講座だったのですが、回を追うごとに全然違う物になってしまいました。

ポエ山
アートアニメっぽい物が作りたかったんだと思いますがいろいろと中途半端でした。





lido – 砂の花-

巨大ロボットが蔓延る滅び行く世界…そんな近未来を舞台に記憶を失った少年と孤独な少女の出会いと別れを描いたオリジナル長編アニメのパイロット版。2005年にJAWACONで発表されたモノに新しいカットが加えられている。現在構想中であるというものの制作開始から3年近く経過した今でも圧倒されるクオリティを保っている。
ポエ山
“切り絵アニメ風巨大ロボットアニメ”というのを作りたくて、紙にパーツ分けして描いた絵をFLASHに取り込んで動かしています。
切り絵アニメ作家のノルシュテインみたいなアナログ感のある巨大ロボットたちが高層ビルをぶちこわしながら戦うところが作りたかったのですが、まだ全然そこまで辿り着けてません。

ポエ山
ずっと前から温めていた企画で、JAWACONという大きなイベントがあったのでなんとか予告編みたいな形でまとめることができたんですが、そこから先なかなか進まなくて。

ポエ山
でっかい画面で見ても見劣りしないようにと思って、なるべく画面のクオリティを上げる方向で作っていたのですが時間がかかりすぎました・・

ポエ山
作り込もうと思ったらいくらでも時間がかかってしまいますし、そこは自分で基準を定めて先に進まないといけないですね。


なかなか思うように進まないとのコメントであるが完成が気になるところである。現在の製作状況はどのような感じだろうか。ポエ山氏に伺ってみた。

ポエ山
パイロット版からキャラクターが変わったため、脚本も書き直しているのですが、制作のためのまとまった時間が取れなかったこともありいったん休止とさせていただいてます・・

ポエ山
結果的にかなり長い間空白になってしまい、このまま制作を続けるとさらに数年とかかかりそうなので、もうちょっと軽めの企画を先にいくつか出そうと思ってます。

ポエ山
ひとつはPOEYAMAのトップページの“仕掛け”をクリアするとちょっと予告が出てくるのですが、ActionScriptの勉強のために『The Adventure of quino』というquinoのストーリーをベースにしたレトロゲーム風アクションRPGを作っています。

ポエ山
もうひとつはゆるいコメディのオリジナルシリーズです。
『アニマル横町』みたいなノリで作りたいな~と思ってます。
それらが一段落したらまた本腰入れて制作再開したいな~と思っているのですが・・

ポエ山
パイロット版を見て期待して待って下さっている方には本当に申し訳ないです。


完成までにはまだまだ時間がかかりそうであるが、FLASHゲームやオリジナルシリーズも制作されているというポエ山氏の今後の活躍に注目したい。

POEYAMA

【CloseUp Flash Reloaded】FRENZ イベントレポート


2009年 9月12日(土)、新宿ロフトプラスワンにて映像作品のライブイベント『FRENZ』が開催された。“FRENZ”はFriends(仲間達)とFrenzy(熱狂)をコンセプトにWEB上を中心に活動する映像作家による作品を参加者全員で一体となって楽しむことを目的としたイベントであり、 有志によるオフラインイベントとしては 2年ぶりの開催となる。しかしこれまでのオフラインイベントとは異なり、出展者はFlashクリエイターだけではなく、ニコニコ動画などで活躍しているクリエイターやパフォーマーも参加している。出展者、来場者ともにこれまでのイベントより幅広い層の参加が見られた。

主催の as@地生 氏の乾杯の音頭と共に始まったイベントは 3部構成であり、はじめに上映されたオープニングの制作代表としてyama_ko氏が壇上に登場し、お祭りをテーマに ShakeSphereさん にFRENZ向けのオリジナル楽曲を提供頂いた経緯が語られた。
8ットデタマンのうた(NRF) 続いて壇上に登場したのは、やたらがす氏。これまで狂気系と呼ばれる作品を制作してきたが、一転してゆったりとした不思議なアニメーション作品となっている。その理由として、今まで自分の世界を前面に押しだしすぎたので、表現をシンプルにして自分の好きな絵本の世界を作ってみたことが述べられた。
次に登場したのは、懐かしの2ちゃんねるアスキーアートのキャラクタを用いたパロディアニメを制作したNRF氏。Flashを作るきっかけとなった憧れやイベント参加に対する長年の夢を作品に込めたことが語られた。