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【CloseUp Flash Reloaded】葉月ゆら特集


現在のFLASHムービーには声優やBGMとなる曲を提供してくれるアーティストの存在が欠かせない。彼らの協力によってFLASHによるアニメやPVのクオリティが向上することは、これまでCloseUp Flashで紹介してきた作品が証明しているだろう。今回はそんなFLASHムービーを彩る存在であるシンガーソングライターの葉月ゆら氏に注目し、彼女の歌を用いたFLASH作品の紹介やインタビューからその魅力を探ります。



人魚姫
人魚姫
人魚姫をベースとした物語であるが童話にあるような話ではなく、より現実的なテーマの元に作られている。人魚としての水中での生活から困難な陸での生活を決意することで、楽しかった子供の生活に別れを告げ精神的に大人へと成長していく姿が表されている。それらはストーリー中に数多く現れる隠喩的な演出から見て取ることができる。
「少女が女性になる日。自分の内面が変わっていく様子を楽曲に合わせて表現しました。勉強中さんの『宝石の街』を拝見した時から、いつかゆらさんの曲を使ったPVを作ってみたいと思っていました。歌詞と映像との相互作用に気を配ったつもりです。」(イズ氏)
愁いを含んだ葉月ゆら氏の歌声が、雰囲気を盛り立てていることを感じ取れるのではないだろうか。

ガラスの水槽



蜂物語


ピンクの服のハチコ、青い服のハチミという二匹のハチが女王蜂になるために競争する物語。対極的な生い立ちによりハチコをライバル視しながらも常に憂き目に遭うハチミであるが、葉月ゆら氏の脱力的で癒しのある歌声により、どこまでも明るく演出されているためか楽しく見ることができる。
「キャラクターのアニメーションを最小限に留め、また全体的にグラデーションを使わないことで制作期間の短縮を図りました。とはいえ、ただ動かないだけではつまらなくなるので、ハチコ達が空を飛ぶ動きや背景など他の場所に時間をかけ、シーンをテンポ良く切り替えるようにする事で見る人が飽きないよう心がけました。」(コウキ氏)
コウキ氏のサイトのTOPページには、7月に発売されるオリジナルミニアルバムのCMフラッシュもある。ごちらも是非ご覧頂きたい。

勉強中



Amadeus short.ver
Amadeus short.ver
葉月ゆら氏の楽曲をジャンヌダルクの世界観に重ね合わせて作られたPV。昨年開催されたオンラインイベント『MM3 臨海学校の夏』に出展された作品であるが、静かに燃える情熱を感じさせるジャンヌの姿を描いた本作は、“萌え”をテーマとしたイベントの中においてひときわ異彩を放つ作品として注目された。
「ネットという公衆の面前で公開を行うのであまり残酷なシーンを使わずに、いかにしてジャンヌダルクの戦乱の残酷さを表現しようとしたことは苦労しました。」(ゆう氏)
荒廃した戦場などの背景や鮮血がBGMと相まってジャンヌダルクの悲運を感じさせている。

mafumafuするところ

【CloseUp Flash Reloaded】春の風物詩をテーマとしたストーリー


新学期・新年度を迎えた4月は生活環境が変わったり、新しいことにチャレンジしたり、何かが始まるスタートの季節である。CloseUp Flashをご覧頂いている皆さんの中にも、新たな生活や活動を始めた人も数多くいるだろう。そこで今回は春のこの時期ならではの風物詩をテーマとした特集第1弾として、進学・就職をテーマとしたFlashムービーを紹介しよう。



りれきしょ
りれきしょ
制作者の就職活動の一環で「自己PRを可視化する」というテーマを元にして制作された物語。履歴書そのものを舞台にラクガキしたキャラクタが突然動きだし、これまでの活動を再現することで自分の夢を再認識させる演出が清々しく描かれている。
「履歴書というのは自分自身の過去(経歴)、現在(趣味、特技)、未来(志望理由や将来の夢)といったものを一つにまとめてアピールするものだと思い、自身のできるFLASH制作の技術とあわせ「飾らない、自分自身の正直な気持ち」を見る人にわかってもらえるよう努力しました。今回はそれにあわせアニメーションもシンプルながら細かな動きに気をつけました。」(暇津氏)
シンプルであるが故に、建前でない本音がストレートに伝わってくる作品だ。


スタヂオひまつぶし



想い桜
想い桜
桜の木に託す一つの想いと、決意を描いた物語。桜といえば花見や入学などを思い浮かべるが、本作品はそんな季節の移り変わりとは反対に、時が止まってしまい一人取り残された物悲しさが描かれている。しかし取り残された人は生きている以上前に進まざるを得ないため、過去に囚われた自分との決別を意識する。そんな想いを後押しするかのような桜の散り様がなんとも印象的だ。
「忘れられない想いを無理に忘れる必要はなくて、大切な想いは心にしまったまま悲しみとだけ決別すればいい。そんな気持ちを誰かに少しでも伝えられたらと思い、このFLASHを制作しました。ただ切ないだけではなく、見た後に心がそっと暖かくなれるような作品を目指しました。」(ぽけっと森氏)
セリフや動きを最小限に抑えたシンプルな映像であるがゆえに、そこで伝えようとしているモノを探りだそうと思いを巡らしてしまう作品である。


ぽっけ森

【CloseUp Flash Reloaded】キャラクターの魅力が光る個性的Flashムービー


Flashムービーに限らず映像作品を印象づけるのに大きな役割を果たしているのはキャラクターが持つ個性である。昨年大ブレイクした「やわらか戦車」や「秘密結社 鷹の爪」も作中に登場する個性的なキャラクターが人気の大きな牽引力になったのはいうまでもない。しかしインターネット上には、これらの作品以外にも様々な個性あふれるキャラクターのFlashムービーが存在する。そこで今回は、個性的なキャラクターが登場するFlashムービーを紹介する。



3歳シリーズ


FLASHで綴る家族日記をコンセプトとしたドキュメンタリー。日常の中から生まれた様々なエピソードが紹介されこれまでに100作品以上が公開されている。ブログなどを使った育児日記は数多くあるが、それをFlashムービーで実現したものとしては初のケースと言えるだろう。デフォルメ化されたキャラクターが起こす様々なハプニングが微笑ましく、家族愛に満ちあふれた温かさが感じられる。これだけ多くの作品を生み出した原動力は何なのか、制作者のG-STYLE氏に伺ってみた。

「単にネタが尽きないし作りやすいというのが今まで続いてきた理由だと思います。下の子が産まれる直前から作り始めて既に3年が経過しました。その時産まれた次男はもう3歳です。毎日色々な事をやってくれるので慣れてしまった部分もあります。当初は制作に1日かかったりもしましたが、今では2時間足らずで完成です。」

このようにして生まれた3歳シリーズは、老若男女問わず広く親しまれ、現在では書籍「3歳シリーズきちゅび2」をはじめ、ストラップやマウスパッドなど様々な商品化が展開されている。しかも書籍以外のロイアリティは全て乳児院に寄付されている。

「3歳シリーズは企業が絡む商売としてではなく、個人で何がどこまで出来るのかをやってみたかった実験的な要素もあります。結論は『沢山の人と支え合って行かなければ上手く行かない』といった所でしょうか・・・
おかげ様で色々な人と出会う事が出来ました。私にとってこの数年間は素晴らしい人生経験となりました。」(G-STYLE氏)

最近も今月に発売された『蛙男商会の本』にトリビュート作品を寄稿している。一体どのような作品となっているのだろうか。

「3歳シリーズでは初となるフルボイス版です。今回は勝手に鷹の爪団・関西支部を開設、団員を募集するという内容ですが一番のメインは嫁のエッチなあえぎ声です。ちなみに吉田君と総統のセリフはどうしても適当な素材が無かったので自分で喋りましたが、吉田君は難しいですね。一応デラックスファイターとフィリップも出来るようになりました。」(G-STYLE氏)

これからも様々なシーンで3歳シリーズを見かけることができるかもしれないので期待したい。


3歳シリーズ



mofu☆mofu


無邪気で、人なつっこくて、ちょっと寂しがりな、宇宙生物“モフモフ”。そんなモフモフと、双子の少女が出会って心を通わせる物語。特徴的な形をしたキャラクターや曲にあわせたミュージカル風味な展開など作品から明るく楽しい雰囲気が全面に押しだされている。

「ショートアニメを作ってみようと思い立った時、右も左もわからなかったのですが、へたくそでも何でもとにかく自分が楽しんで作ろう!と心に決めました。そこでまず、好きなものをまず羅列してみました。
すると、“ちびキャラ・小動物・ツインテール・ワンピース・ピンク・みたらしだんご”と、アイテムが出そろいました。そこからは歌ったり踊ったりしながらFLASHをつっついてたら、いつの間にかあんなのが出来ていたという感じです。」(ちぃ氏)

今後はモフモフ星の仲間を色々登場させ、双子とモフにいろんな冒険をしてもらいたいと語るちぃ氏。本シリーズの第2話が近日公開されるそうなので楽しみである。


vitamin+chi