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【CloseUp Flash Reloaded】初音ミク特集3
最近ネットでは「初音ミク」に関する話題が注目されている。前回に引き続き今回もOtomania氏&たまご氏のインタビューと初音ミク作品の系譜をお届けする。
<2007年11月>
ついに先週末にニコニコ動画にアップされている初音ミクの動画が1万件を越えた。そんなニコニコ動画でも0:00の時報に初音ミクを採用するなど発売から僅か3ヶ月足らずでますます勢いを増している今月の動きを追ってみた。
まず今月3日に初音ミク中心ボーカロイドonly event「THE VOC@LOiD M@STER」が開催された。当日販売のカタログを始め午前中に完売するサークルが続出するなど盛大な賑わいを見せた。公式サイトでは早くも第2弾の開催が告知されている。
・初音ミクの同人誌即売会 「コミケ3日目ぐらいだった」みたい
そんな中、VOC@LOIDシリーズ第2弾「鏡音リン」の発売がDTMマガジン12月号で発表された。
・初音ミクの次は「鏡音リン」
早くから第2弾の声優は誰かと話題になっていたが、大方の予想通り(?)下田麻美さんであることが告知された。ニコニコ動画をはじめとするコミュニティでは早くも鏡音リンの動画がアップされるようになった。
■VOCALOID2 鏡音リン・レンに「Ievan Polkka」を歌わせてみた(仮ver.)
Otomania氏&たまご氏からは、はちゅねミクに続くデフォルメキャラ第2弾として「かぐぁみねリン」が発表された。
・【鏡音リン】リンちゃんが可愛いので動かしてみたw
また初音ミクと鏡音リンのアンチヒロインである亞北ネルや亜種の弱音ハクなどの2次創作系のキャラクタも登場しじわじわと人気を高めている。
・初音ミクと鏡音リンのライバル、予想外の新人「亞北ネル」が人気上昇中
このようにキャラクタとしての人気が高まる中、ついにミクのオリジナル曲をカバーするといった新潮流「ミクオリジナルを歌ってみた 」系の動画が見られるようになった。これまで既製曲をカバーしていた初音ミクが、逆に人間によってカバーされる立場になったことは非常に衝撃的であり、2次元のイラストから3D化したように3次元の人間が2次元のキャラクタを模倣するというこれまでのアプローチとは反対方向の流れを生み出した。コンピュータの中から生まれた創作物が現実の中で生み出された創作物と相まって再生産される現象は、まさに2.5次元のアイドルと言えるだろう。
このような流れを察知してか、来月からJOYSOUNDで「みくみくにしてあげる♪」が配信されることが決定した。
・みくみくにしてあげる♪:カラオケ|JOYSOUND.com
そのほかにもPS3で毎日配信されている「どこでもいっしょ」のキャラクタートロによるニュース番組「トロステーション」に初音ミクが登場したり、PS2『トリノホシ』のイメージソングを歌うなど着々とメディアミックスが進んでいる。
・にゃ!トロ・ステーションに「初音ミク」ゲスト出演!
・PS2『トリノホシ』の発売日は来年2月28日! “プリニー”&初音ミクとのコラボ企画も
・初音ミク、ねんどろいどで最速立体化決定!
動画共有サービスの外で色々な動きを見せている中、ニコニコ動画でも今月新たな動きが見られるようになった。その1つとしては、動画クリエイターやFlashクリエイターによる作品が公開されるようになってきた。「【ネギ踊り】みっくみくにしてあげる♪(サビだけ)」をはじめ、コラボレーションイベント「MIX Senses」受賞作品を初音ミクでカバーした「魔法使いミクとガラスの猫」など秀逸なアニメーションの作品が多い。
【CloseUp Flash Reloaded】初音ミク特集2
最近ネットでは「初音ミク」に関する話題が注目されている。前回に引き続き今回も初音ミクの作品を時系列に紹介するほか、Otomania氏&たまご氏のインタビューをお届けする。
<2007年10月>
発売から1ヶ月を経つ頃には既に1日100作品近くの動画が毎日アップされるようになり、様々な作品が入り乱れるようになった。そのような中、初音ミクを特集したDTMマガジン11月号が発売された。初音ミクの体験版が収録されていることもあり、発売から2日後には完売する店が続出するなど、音楽雑誌としても異例の売れ行きを見せた。
・DTMマガジン「初音ミク」 ほぼ完売 増刷予定なし
DTMマガジン11月号の発売により体験版を利用したユーザが増えたことで、初音ミク作品の登場に更なる拍車がかかった。『タイムリミット』という初音ミク体験版のイメージソングが生まれたことからもその勢いが感じられる。
■オリジナル曲 「タイムリミット」 Full ver
しかしあまりに多くの作品が誕生したことにより、全ての作品に目を通すことが困難になりつつある中で自然発生的に生まれたのが、『週刊みくみくランキング』や『月刊VOC@LOIDランキング』などのランキングを集計した動画である。多くの作品の中から注目の動画が一目でわかるようになり、初音ミクファンにはかなり有力な情報源となった。
またこの時期からニコニコ動画系のネタを初音ミクに歌わせた作品も登場してきた。特に初音ミクに組曲「ニコニコ動画」を歌わせた『初音ミクに組曲「ニコニコ動画」を調教した結果。(修正版)』やキーボードクラッシャー少年の音声を空耳風に編集し、はちゅねミクに踊らせた『たぴ・ぱん』がある。これまでの初音ミクに対するイメージを良い意味で破壊した『たぴ・ぱん』には、某アニメの結末をオマージュしたラストシーンが必見の続編『ゼータ・たぴ・ぱん』もあるのでぜひご覧頂きたい。
■たぴ・ぱん (カラオケ字幕付)
【CloseUp Flash Reloaded】初音ミク特集1
最近ネットでは「初音ミク」に関する話題が注目されている。かく言う私も発売直後からみっくみくにされている。発売されてから12日後には、初音ミク中心のイベントである「THE VOC@LOiD M@STER」開催が決定し、この2ヶ月で音楽ソフト市場では異例の20,000本以上を売り上げ、動画配信サイト「ニコニコ動画」では既に7,000を越える作品が掲載されている。なぜ短期間でここまで盛り上がったのか? パッケージのイラストや声優「藤田 咲」さんによるキュートなボイスによるキャラクター性、ニコニコ動画などの作品公開の場があることなどが要因として語られているが、個人的には単なるDTMソフトに留まらない様々な可能性が秘められていることにあるのではないかと感じている。そこで今回は、これまで公開された作品紹介を通して初音ミクが持つ魅力と可能性について探ってみたい。
<初音ミクとは>
「初音ミク」とはクリプトン・フューチャー・メディア(株)より2007年8月31日に発売された歌声合成ソフトウェアだ。メロディと歌詞を入力するだけでリアルに音声合成された歌声を生成するVOCALOID(ボーカロイド)はYAMAHA株式会社によって開発され、これまで5製品が発売されている。今回発売された初音ミクは、「キャラクター・ボーカル・シリーズ」として声優を採用したVOCALOID 2 CVシリーズの第1弾である。発売されてから初音ミクを利用した様々な作品がネット上で公開されてきたが、従来のVOCALOIDシリーズに比べて初音ミクは開発側が想定していなかったような様々な使われ方がされている。今回インタビューさせていただいた たまご氏 の協力のもと、様々な使われ方の一例となる作品を時系列に追ってみた。