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【CloseUp Flash Reloaded】コラボレーションによってより高いクオリティを生み出すPV
近年、ゲームや音楽などのプロモーションビデオ(PV)をFlashでWeb公開されている所をよく見かける。当然Flashクリエイターの間でもイベントやオリジナルCDのCMとして制作を依頼されることが増えている。FlashにおけるPV作品では、販促のターゲットが明確であるため、テーマ性のあるストーリーを軸としてアニメーションをBGMに同期させて動かすといったことが多い。また最近では、映像や音などを専門とするクリエイターと協力して生み出されたコラボレーション作品が多いのも特徴的だ。
今回は異なる分野のクリエイターそれぞれの才能を掛け合わせることによって、より高いクオリティが得られたPV/コラボレーション作品を紹介する。
■東方風櫻宴 プロモーションFlash
音楽サークル『イオシス』のCD「東方風櫻宴」の販促Flash。桜の花びら舞う夜の闇の中、戦う少女達のイメージがBGMとマッチしていて完成度の高いプロモーションムービーとなっている。
「アニメのオープニング風を意識しました。楽曲の良さを生かせるよう、緩急の取り方と音同期は特に気を遣いました。」(カギ氏)
作品の世界観を広げる上で、BGMとアニメーションの同期は重要なポイントであることがこの作品から見て取れるのではないだろうか。
・locker room production
・イオシス
■アイアンマン
出てくるクマが地球征服を企む宇宙人だったり、主人公は公園でその宇宙人と暮らしてたり、愉快な設定の多い『さいとうだいすけ。』氏の同名の曲を使用したミュージックビデオ。
「私が大好きなこの曲をいろいろな方に好きになってほしいという気持ちが強くて、とにかく楽曲を強調するように意識して作りました。ですので、この作品を見てくださった方々からの”素敵な曲ですね”みたいな声が一番嬉しかったりします。」(ゆう氏)
窓枠を使った飛び出す効果など、PVならではのインパクトある演出をFlashで実現しているのも印象的な作品だ。
・mafumafuするところ
・うち。
■かたっぽの足跡
手をとりあい成長してきた二人の幼馴染が、大人になっていくと共に思いがすれ違ってゆく。明日を見据えはばたく者、永遠を信じ留まる者。二人を繋ぎ止めるのは、あの日の思い出…
BGM素材サイトSenses Circuitで開催されたコラボレーションイベント『MIX Senses Vol:2』において代表作品として選ばれいる。思い出として記憶に残る出来事がBGMと共に郷愁を呼び起こす作品だ。
「『成長』『離別』『思い出』と、ありきたりなテーマですが、思い出の品の特徴を活かして、物語に深みをだしました。あえて全てを描ききらず、『離別』を端的に表現しています。閲覧者自身の思い出が、その部分を埋めて頂ければと思います。」(ZAI-KU氏)
作詞家、歌い手、絵師、楽曲など様々な作り手が協力して1つの作品を生み出すことがFlashによって実現できることを示した作品といえるだろう。
・Senses Circuit
【FLASH BACK 200X】リオ五輪に負けず劣らず盛り上がっていた2006年8月【映夜祭’06】
いやぁ~夏真っ盛りっすね!暑い日が続いてますが、10年前の当時も「8mm Merry Makers」 「MM3 萌えるFLASHを研究する大会3」「第2回ParaFla!感謝祭」といったイベントが盛りだくさんでした。でも忘れてならないのが7月に開催された映夜祭。今回はslashup★02に引けを取らない盛り上がりを見せたオフラインイベント「映夜祭’06~エイヤッサ~」より注目の作品を紹介します。
■DAHAROOCA
破壊の限りを尽くす少年の目指す先には一体何があるのか…派手なアクションだけに限らずその理由が過去のある事件に関わることを示唆するなどストーリー性もある傑作アニメーションです。
・チョータ式
■5iVESTAR
イベントのトリを務めたMusicClip。森井ケンシロウ氏の担当した女の子のキャラクタとMotionGraphics部分を担当した2501氏のコラボレーションによる疾走感が音とマッチしていて心地よいです。第5回インディーズアニメフェスタで松倉賞を受賞したアレンジ版『5iVESTAR enchanted』も必見です。
・htmk
■さぁ、けたたましき この日々に
しゃべるニワトリと共に夢の中の世界で過去の自分を振り返るフルボイスアニメーション。誰もが過ごした青春の日々を思い起こさずにはいられない展開とこれからの未来を清々しい気持ちで歩んでいくことのできたラストがとても良いですね。
・偽与野区役所
【CloseUp Flash Reloaded】コミックとアニメの特徴を合わせ持つFLASHアニメ
FLASHで作るアニメには、ページをめくるコミックのように読み手のペースでストーリーを進められる特徴がありながらもコマ割りに縛られないアニメのような動きに対する自由度を持っている。また自分の選択によってストーリーを分岐させるなどインタラクティブな要素を含めることもできる。今回はそんなコミックやアニメ、さらにはゲーム的な特徴を合わせ持つFLASHアニメを紹介する。
■花山院ですが何か?
年収1千万以上の裕福層家庭の子息だけが入学を許されるというエリート養成私立校「聖ロリナス女学院」。そんな所に入学してしまった下流層出身の花山すみれが本当の家柄を隠しつつ、お金持ちの彼氏ゲットを目指すドタバタ学園コメディ。
舞台設定やオープニングなど既存アニメを意識した作りとなっているが、わかりやすい人間関係や各シーンで見せるギャグがテンポ良く、心地よく見ることのできる作品となっている。
「一般的なFlashよりもカット、作画を増やしてます。Flash特有な単調なトゥイーンにカメラワークを加え、常に画面をやかましく見せることで見てる方に単調感を与えないように配慮しています。」(月見堂さん)
「音」と「動き」のシンクロによって生み出される小気味よさが持ち味である本作品は第3話より、livedoorネットアニメ内で配信されていました。
・月見堂
■さっちゃんのきもち
幼馴染の高校生”さち”に淡い恋心を抱いている中学2年生の”アコ”。しかしさちが好きな相手は自分の姉、大学生の妙子だった。3人の恋模様を通して、相手を思いやる気持ちの大切さを伝えたちょっぴり切ない全4話の初恋物語。
さちの気持ちを知っているだけに上手く想いを伝えられないアコのもどかしい気持ちが作品中からあふれ出し、思わず感情移入してしまうストーリーなのだ。
「テーマは初恋です。やるからには恥ずかしくなるくらいストライクな王道にしようとかんがえておりました。ですので若干顔を赤くしながらご覧いただけると狙い通りであります。」(ちーむどらむすこ代表・小野よしきさん)
オマケゲームなど様々な趣向を取り入れている本作品だが、アテレコにプロの声優さんを起用されているのも特徴的である。
「アニメーションを作るに辺り、声をつけると言うのはある意味当然の行為だと考えております。
この作品は三角関係の話ですので、どうしようもなく好きになってしまう魅力を持った相手としてさっちゃん役に山口勝平さんを。そして恋のライバル、妙子ねえちゃん役には、絶対に勝てないと思わせる“ある意味最強”の井上喜久子さんを。そんな魅力溢れる相手に立ち向かう、けなげな女の子=中村有岐さん、というキャスティングでした。
皆さんに少しでも喜んでもらえるために、色々と趣向を凝らして頑張っております。」(同・小野よしきさん)
見た後に優しい気持ちになれる作品を数々作られているちーむどらむすこさんではラブコメ作品『ば~が~たいむ』も配信中だ。
夏らしい“明るく楽しく”を合言葉に製作されているようなのでこちらも是非ご覧頂きたい。
・ちーむどらむすこ
■Flashアニメ コンキチくん
ひょんなことから街に迷い込んでしまった一匹の子狐コンキチくん。小学4年生の活発な女の子あーちゃんと出会い家に招き入れられたことから始まる全12話予定のほのぼの系アニメ。
吹き出しや擬音などコミック的な要素を持ちつつも、オープニングやエンディングをフルアニメーションで構成したり、物語中にミニゲームを取り入れたりするなど意欲的な試みが行われている。
「このお話には、派手なアクションシーンや、小難しい言い回し、暗い過去を背負った登場人物がいるわけではありません。見ていただいたかたに、ほんのちょっとだけホンワカと和んでいただけたらなーと思っています。とりあえず、まずはオープニングだけでも見ていただきたいです。」(タカギマサユキさん)
今後コンキチ君がどんな活躍をするか楽しみである。
・猿電影