Tag Archives: 丸山薫

【CloseUp Flash Reloaded】オリジナル長編Flashアニメの魅力


今年のFLASHアニメの動向を表す作品としてFROGMAN氏やラレコ氏をCloseUpFlashで最初に取り上げた。これらの作品には映像よりも笑いやキャラクター性を重要視しており、尺の長さも比較的短いといった特徴がある。しかし、もう一つの動向としてある重厚長大なオリジナルアニメーションも見逃せない。今回紹介する2作品のクリエイターはどちらもイラストレーターを本業とされているため、精彩な絵のタッチは目を見張るものがある。またストーリーにテーマ性があり、作品全体の時間もFlashアニメの中では比較的長い部類に入るため、まるで1本の映画を見たような充実感があるのが特徴的だ。数々のコンテストでのノミネート・受賞がその完成度の高さを証明している。今回はそんなオリジナル長編アニメ2作品を紹介する。



吉野の姫

気まぐれでわがままで怒りっぽい小さなお姫さま『吉野の姫』は、この世の全ての桜を治める眷属の長の末娘。そんな姫と人間の女の子との、早春のちょっとした出来事を描いた物語。
戦時中という暗い時代背景の中、兄に桜の花を見せることで一途の希望を見い出したい妹の気持ちと下らないと表面上は取り繕いながらも人間の気持ちに答えようとする吉野の姫の心の通い合いが印象的だ。また日の暮れる夕焼けや夜明けの情景は、見るものをグッと引き込ませる魅力にあふれている。
「夕方と明け方の光の美しさを表現できるよう腐心しました。早春の空気を感じて頂けたら幸いです。」(丸山氏)
なお本作品は、8/5に北九州アニコン2006で、また8/25に第5回東京アニメアワードフィルムフェスティバルで上映される。ネット上で鑑賞するのも十分作品の魅力を体験できるが、大スクリーンで時間毎に移り変わる映像美にも是非酔いしれていただきたい。

MARU PRODUCTION



花の翳

駆け落ちに酔い、桜の下、二人きりの世界に酔い‥‥追いつめられた二人は心中を図る。しかし、姫を置いて若者はどこかに姿を消してしまう。残されたと思い込んだ姫は若者を待ち続け遂に鬼と化す。何世代も跨いだ男女の愛を描いた平安絵巻。
1カット毎のシーンが繊細で見ていくたびにストーリーに引き込まれる美しさを持っている。また想いを成就するためには必ずしも心中することだけではないということを示した奥深いテーマの作品である。
「心中モノ(心中して、天国で結ばれました。と言うお話)も決して嫌いではないのですが、自ら命を断った者が、果たしてそう易々と天国になど行けるものだろうか? 互いに相手を死なせてしあわせになどなれるものだろうか? 生きてこそ、しあわせは掴めるものではないのか? …などと考えていたら、このお話が降りて来ました。お話がベタな分、絵で楽しめるように綺麗な画面を心がけました。」(吉田氏)
今後も各コンテストに出す予定という本作品、見かけることがあれば今一度注目してみてはいかがだろうか。

吉田 暁 Illust Gallery

【FLASH BACK 200X】夏真っ盛りな季節に振り返ってみる2005年8月作品【吉野の姫】


茹だるような暑さも一息ついた今日この頃。巷ではコミケや第15回MMD杯などオンライン・オフライン共にイベントで賑わっております。10年前の8月も「Parafla!感謝祭」や「JAWACON」オンオフ交えて盛り上がっていたひと月でした。


吉野の姫


気まぐれでわがままで怒りっぽい小さなお姫さまの物語。8/27に大阪で開催されたJAWACONでの上映を皮切りに、国内数々のコンペで受賞に輝いた現在漫画家として活躍されている丸山薫さんの代表作です。

MARU PRODUCTION


春陽とわたし


多摩工科大に通う学生「染井由乃」が授業中に垣間見た白昼夢の世界を描いた物語。レトロフューチャーな世界観を踏襲しつつも生物をモチーフとしたギミックがこれまでと一味違う世界観を生み出しています。

弥栄堂


numnaname


Flash板を代表するテンプレとしてお馴染みのnum1000を斜めギコによって再現したリミックス作品。登場するキャラクターを始め、スクリーンまでもナナメにするほどの徹底ぶりです。

あいしやす.fla

【FLASH BACK 200X】GW終了の悲しみを癒すFLASHが見られる2004年5月【行進曲は突撃ラッパ、スイート・スイート・スイートホーム】


残念なお知らせです。とうとうGWが最終日を迎えてしまいました(ノД`) 悲しみに明け暮れても仕方ないので、ここは社会復帰できるチャンスが与えられたのだと気持ちを切り替えたいと思います。さて2004年の5月といえば、「Flash Game Festival ’04」「MM 萌えるFlashを研究する大会」「FlashMinors」など、特定ジャンルにこだわったイベントが多く開催されました。その中から注目の作品をいくつかご紹介します。


行進曲は突撃ラッパ

中学最後の発表会に向けて練習に励む増田 萌と幼なじみの西山 浩介による放課後の1シーン。感情表現をラッパで表現するヒロインや相乗り自転車などまさに青春の1ページを描いた本作は、正統派の萌えとして初代Moe Masterに輝いたMMイベント出展作品です。2年後に制作されたリメイク版もあわせてご覧ください。

コギト・エルゴ・スムン


スイート・スイート・スイートホーム


MM作品でありながら大喜利を行う一家団欒を描いた萌えとは一線を画す作品です。場を凍らせる子供の無邪気かつストレートな一言がシュールな笑いを誘います。

ホットウェルタンク


十一月


少女が路地裏で捨て猫を見かけるショートストーリー。拾い上げた瞬間、なぜ捨てられていたかの理由が判明しますw

MARU PRODUCTION


no concept

森井ケンシロウさんがTNT名義の時代に出展したイベント「FlashMinors」参加作品。現実と夢の狭間にいるような不思議な感覚がシンプルな音楽と映像によって繰り広げられています。

森井ケンシロウ.tv