現在のFLASHムービーには声優やBGMとなる曲を提供してくれるアーティストの存在が欠かせない。彼らの協力によってFLASHによるアニメやPVのクオリティが向上することは、これまでCloseUp Flashで紹介してきた作品が証明しているだろう。今回はそんなFLASHムービーを彩る存在であるシンガーソングライターの葉月ゆら氏に注目し、彼女の歌を用いたFLASH作品の紹介やインタビューからその魅力を探ります。
■人魚姫
人魚姫をベースとした物語であるが童話にあるような話ではなく、より現実的なテーマの元に作られている。人魚としての水中での生活から困難な陸での生活を決意することで、楽しかった子供の生活に別れを告げ精神的に大人へと成長していく姿が表されている。それらはストーリー中に数多く現れる隠喩的な演出から見て取ることができる。
「少女が女性になる日。自分の内面が変わっていく様子を楽曲に合わせて表現しました。勉強中さんの『宝石の街』を拝見した時から、いつかゆらさんの曲を使ったPVを作ってみたいと思っていました。歌詞と映像との相互作用に気を配ったつもりです。」(イズ氏)
愁いを含んだ葉月ゆら氏の歌声が、雰囲気を盛り立てていることを感じ取れるのではないだろうか。
・ガラスの水槽
■蜂物語
ピンクの服のハチコ、青い服のハチミという二匹のハチが女王蜂になるために競争する物語。対極的な生い立ちによりハチコをライバル視しながらも常に憂き目に遭うハチミであるが、葉月ゆら氏の脱力的で癒しのある歌声により、どこまでも明るく演出されているためか楽しく見ることができる。
「キャラクターのアニメーションを最小限に留め、また全体的にグラデーションを使わないことで制作期間の短縮を図りました。とはいえ、ただ動かないだけではつまらなくなるので、ハチコ達が空を飛ぶ動きや背景など他の場所に時間をかけ、シーンをテンポ良く切り替えるようにする事で見る人が飽きないよう心がけました。」(コウキ氏)
コウキ氏のサイトのTOPページには、7月に発売されるオリジナルミニアルバムのCMフラッシュもある。ごちらも是非ご覧頂きたい。
・勉強中
■Amadeus short.ver
葉月ゆら氏の楽曲をジャンヌダルクの世界観に重ね合わせて作られたPV。昨年開催されたオンラインイベント『MM3 臨海学校の夏』に出展された作品であるが、静かに燃える情熱を感じさせるジャンヌの姿を描いた本作は、“萌え”をテーマとしたイベントの中においてひときわ異彩を放つ作品として注目された。
「ネットという公衆の面前で公開を行うのであまり残酷なシーンを使わずに、いかにしてジャンヌダルクの戦乱の残酷さを表現しようとしたことは苦労しました。」(ゆう氏)
荒廃した戦場などの背景や鮮血がBGMと相まってジャンヌダルクの悲運を感じさせている。
・mafumafuするところ
上記のFLASH作品に楽曲を提供された葉月ゆら氏に曲作りの方法や今後の活動などについてインタビューさせていただいた。
UG-K
過去編と現在ネットをはじめたのはいつ頃からでしょうか?
葉月ゆら
インターネット自体はいまから7年前くらいだと思います。
そのまえは草の根ネットで遊んでました。
そのまえは草の根ネットで遊んでました。
UG-K
ナローバンドの頃からやっていたのですね。
葉月ゆら
はいー テレホーダイとか入ってました(笑)
UG-K
HPの開設や歌や曲を公開するようになったのはいつ頃からでしょうか?
葉月ゆら
カラオケでは歌はよく歌っていたのですがオリジナルをはじめたのが2年半くらい前かな・・・「しおさば」をはじめて作ったときからですね。HPもそのくらいから始めました。
UG-K
なるほど。
歌を公開するためにHP開設されたという感じでしょうか。
歌を公開するためにHP開設されたという感じでしょうか。
葉月ゆら
そうです。
いろんな人と交流できたらいいなと思いまして開設いたしました。
いろんな人と交流できたらいいなと思いまして開設いたしました。
UG-K
制作環境についてですが、歌や曲の編集などはご自身でされているのでしょうか?
葉月ゆら
こねこシリーズやぐにゃっとした歌は自分で編集や作曲・作詞をしております。
生でキーボードを弾いて作っているので音が悪かったりします。
生でキーボードを弾いて作っているので音が悪かったりします。
葉月ゆら
普通の曲は打ち込みを作曲の人がして、私が歌詞を作って歌って、そのデータを作曲の人に渡してMIX作業をしてもらってます。
UG-K
作詞作曲のアイデアはどうやって考えてますでしょうか?
葉月ゆら
作曲は、まず今の気分にあった和音をばーーんと弾きまして、そこから連想する音をつなげていきます。
葉月ゆら
その後で雰囲気にあうような詞をつけて仮で歌ってみます。
歌詞がきちんとあてはまるように言葉を削ったり、つなげたりするのです。
歌詞がきちんとあてはまるように言葉を削ったり、つなげたりするのです。
葉月ゆら
作曲の人がもってきてくださる曲の場合は、一通りきいてみると ふわんっワンフレーズだけ浮かんできたりするので、それにあわせた歌詞をつけていきます。
UG-K
今回作品紹介するFlashクリエイターの方からゆらさんの魅力について次のようなコメントを頂いています。
「かわいらしい歌声と少し影のあるパワーある歌声の両方を使いこなしているところに魅力を感じます。」(ゆう氏)
「脱力系の曲からシリアスな曲まで歌い上げる幅の広さだと思います。」(コウキ氏)
「透明感のある歌声は、聞く人の心の底にまで響き渡り、またそれは美しい曲調に相乗効果を与えているのだと思います。」(イズ氏)
「かわいらしい歌声と少し影のあるパワーある歌声の両方を使いこなしているところに魅力を感じます。」(ゆう氏)
「脱力系の曲からシリアスな曲まで歌い上げる幅の広さだと思います。」(コウキ氏)
「透明感のある歌声は、聞く人の心の底にまで響き渡り、またそれは美しい曲調に相乗効果を与えているのだと思います。」(イズ氏)
葉月ゆら
あああ・・・ちょっと涙でそうになった(笑) 嬉しいです。
UG-K
私自身も童謡的な楽しい曲からシリアルなバラードまで幅広いジャンルを歌える懐の広さが魅力の一つだと思うのですが、ご自身としてはどういうところを自分のポイントとされているのでしょうか。
葉月ゆら
結構音楽をきいて感じる本能のままにうたっているので、あんまり深く考えていなかったりもします(笑)
葉月ゆら
自分の中にある子供の部分や少女の部分をうまく調整して歌う感じですかね。
葉月ゆら
でもあんまり感情的に歌うと音程が激しくはずれるので、MIXのときに作曲の方がとても苦労してるみたいです(笑)
UG-K
音楽のジャンル的な部分で特にこだわりとかなく、その時々気に入ったものを自由に歌ってるということですね。
葉月ゆら
そうですね、ほんと自由にやらせていただいてます。
だから歌いたいジャンルも幅が広くなるのだと思います。
だから歌いたいジャンルも幅が広くなるのだと思います。
UG-K
今回紹介させて頂いたFlash作品の感想についてお聞かせ下さい。まず「蜂物語」についてはどうでしたでしょうか?
葉月ゆら
色合いが淡い感じで全体的に統一されていてめちゃくちゃ綺麗でした。ストーリー性もあって最後の2人が王座にいるシーンには感動しました。
葉月ゆら
実は蜂物語は、わたしのCDの中絵に使われているハチキャラがゲームセンターのプライズになる予定だったのですが、その宣伝用に作成した曲&フラッシュだったのです
UG-K
ほー、そうだったんですか(驚)
UG-K
では次に「Amadeus Short_ver」はどうでしたでしょうか?
葉月ゆら
感動しました。シリアスでゴシックな雰囲気がとってもよく出ていて素晴らしかったです。
UG-K
曲のイメージ通りの映像になってますよね。
葉月ゆら
そうなのです。最初の剣が最後にもとの場所にもどるところとか。すごいなーって。構成がきっちりしてはりますよね。
UG-K
元々ジャンヌダルク的な中世の世界観を意識してこの曲を作られたのですか?
葉月ゆら
はい。私自身がゴシックな世界観が好きだったので、クラシカル寄りのゴシックな曲を作ってくださいと作曲の方にお願いしましてつくっていただきました。
UG-K
まさに曲のイメージを見事に映像化された作品となったわけですね。
葉月ゆら
そうです。ピチっと合ってました。
UG-K
最後に「人魚姫」についてはどうでしたでしょうか?
葉月ゆら
構図とか動きが綺麗で素晴らしかったです。色合いもグラデーションで綺麗だしうごきがなめらかでしたね。
葉月ゆら
物語性があって、見る人によって違うストーリーが出来そうで想像力をかきたてるフラッシュでした。
UG-K
今回の作品を含め、これまでゆらさんの曲から多くのFlashムービーが生まれてますが、ご自身にとってFlashムービーはどのように考えてられてますか?
葉月ゆら
私の曲がフラッシュに使われると本当に嬉しくて感動します。
それを第三者の人達がみて感想をくださったり、クリエイター魂みたいなのを刺激してまた違う作品ができたりとか、そういういい意味での摩擦がおきればいいなって思います。
それを第三者の人達がみて感想をくださったり、クリエイター魂みたいなのを刺激してまた違う作品ができたりとか、そういういい意味での摩擦がおきればいいなって思います。
葉月ゆら
曲を作るときには、いつもきいてくださる人が自分の中の世界をさらに広げてくださったらいいなと思いながら作るので、そういう意味でフラッシュによってまたちがった世界が広がってくれることを期待しています。
葉月ゆら
楽しいことをして、楽しい気持ちの連鎖ができたら幸せに思います。
葉月ゆら
もしなにかの制限でフラッシュ曲に使用できなくなったとしても、その制限にかからないようなフラッシュや他のことでつかってもらえるような音源を別に作って置きたいなって思ってます。将来的に(笑)
UG-K
それはFlashクリエイターにとっては嬉しいことですね。
葉月ゆら
ほんとフラッシュ大好きなので、そこだけは制限されたくない部分ですね。
葉月ゆら
フラッシュで泣いたり大笑いしたり、いろんな感情をもらってるので、あいらぶフラッシュです(笑)
UG-K
フラッシュのファンがいてくれるのは作り手でなくても嬉しい限りです。
UG-K
続いて最新アルバム「The Beautiful World」についてお聞かせいただきたいのですが、本作品のコンセプトやポイントはどんなところでしょうか?
葉月ゆら
コンセプトはクラシカルゴシックな少女を表現するということで、ポイントとしては 曲がゴシックとして暗すぎず、明るすぎず、もやもやっとする感じを目指してみました。透明感があるけども残るかんじですね。
葉月ゆら
歌詞は 私が担当した歌詞は少女イメージの無邪気さの中の残酷な世界を表現したくて童話を入れました。
葉月ゆら
leonnさんという方も作詞をしてくださっているのですが、この方は志方あきこさんのアルバムの作詞にも参加していらっしゃって少女から女へのうつりかわりの描写がともて綺麗に表現されております。
葉月ゆら
透明感と無邪気さと残酷さが私にとってのクラシカルゴシックですね。
UG-K
それでは最後に今後の活動予定をお聞かせ下さい。
葉月ゆら
今後はですね・・・夏にみなさんが「えーー?!」といってくださるようなことがあります。
葉月ゆら
もう歌いれも終わって開発もはじまっているので、発表するのが楽しみです。それとアルバムですね。
葉月ゆら
参加してくださる方々も凄い実力のある方たちなので私自身もとても楽しみです。
葉月ゆら
いろいろ企画はあるのですがまだ言える状態になっていないものが多いので、今後ももしよろしかったら 暖かい目でみていて頂きたいです。
UG-K
気になる要素が一杯で今後の展開に目が離せないです。これからの活躍を期待してます。本日はありがとうございました。
葉月ゆら
ありがとうございましたー!
今回のインタビューで話題に上がったオリジナルミニアルバム「The Beautiful World」は、pro-netより先行販売されている。店頭での一般発売は7月予定。葉月ゆら氏の今後の活動については随時ホームページをチェックしていただきたい。
・カルチェラタン * Quartier Latin