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【新連載】CloseUp Flash Reloaded:ウェブの枠を越えていくFLASHムービー
突然ですが新連載です。いや「新」というのは語弊がありますが、ちょうど10年前の今頃、MouRaというサイトでFlashクリエイターに着目した連載をしていました。残念ながら現在はWeb上から消えてしまいましたが、そろそろ時効と言えそうな頃合いですので、ここで再掲載させていただきます。
作品自体は『FLASH BACK 200X』で紹介されているのも多く、また現在は既に存在していない作品もいくつかあるのですが、普段とは違った切り口で解説してますので、可能な限り紹介していきたいと思います。
個人制作のFLASHムービーが熱い! これまでインターネット上で一部のファンの間でしか知られていなかったFLASH作品が、ネットやFLASHムービーにあまり触れたことのないユーザー層にまで広がりを持ち始めたのは大きな飛躍である。FLASHムービー自体がネット上で多く見られるようになったのは今から5年ほど前だが、このようなブームが起きたのは2006年に入ってからとなる。そんな今のブームの先駆けとなった2人のクリエイターが生み出した作品をご覧頂きたい。
■秘密結社鷹の爪
秘密兵器や怪人を生み出し世界征服を目論むベンチャー秘密結社「鷹の爪団」。団員の吉田君やレオナルド博士の勝手な行動に日々頭を悩ませつつも世界征服の野望を抱く総統に加え、彼らの野望を阻むために登場するが結構腹黒い一面も見せる正義の味方デラックスファイターなど個性的なキャラたちの日常を追った物語。
■古墳ギャルのコフィー
前方後円墳型の女子高生で探偵気質なコフィーとマンション建設など憂き目にあう四隅突出型墳丘墓のダニエル、天敵のドロシーや古墳少女たちの憧れの的のニントクなど学園の仲間たちがおりなす愛と友情と毒舌にあふれる学園ドラマ。
どちらもFROGMAN氏が2006年4月にスタートしたTVアニメ「THE FROGMAN SHOW」で放映されている作品である。これまでにない型破りなキャラクタが生み出すシュールさが人気の作品だ。FLASHムービーがTVに放送されること自体が大変な驚きをもって受け止められていたが、万人にウケるその面白さがTV放映という快挙を生み出したのだろう。TVの放映は先週に大団円を迎えたが、これまでにはないシリアスな展開を見せている。関西地区の最終回の放映は今週のため詳細は伏せさせていただくが、気になった方はぜひ見てもらいたい。
また個人的にオススメしたいのが、島根県出雲地方に暮らす極貧黒人ファミリー菅井家のドタバタコメディ「菅井君と家族石」。2004年から2005年にかけてネット上で話題を呼んだFLASHアニメであるが、秘密結社鷹の爪に登場するキャラの一部はこの作品からの出身であったりする。菅井一家の想定外の行動や会話は大きな笑いを誘うこと必至だ。
尚、秘密結社鷹の爪や古墳ギャルのコフィーのサンプル、菅井君と家族石のストーリーのいくつかは、蛙男商会のサイトで見ることができる。
■やわらか戦車
戦場で無類の弱さを誇り、猫にさらわれたりイタズラされたりという憂き目にあいながらも、常に生きのびることを考えながら退却を続ける武器を持たない不思議な“兵器”。この作品が作られるきっかけとなったのが戦争映画であり、「人の痛みを知れ」という奥深いテーマが隠されているのも興味深い。
■くわがたツマミ
元モデルのママと現役バリバリの昆虫のパパとの間に生まれたくわがた少女。何でも摘んじゃうという得意技を持っているが、唯一机の上の切手だけは摘めないというお茶目な一面もあるツマミちゃんが、昆虫としての習性に翻弄されながらも逞しく生きていく様子を描いたショートアニメ。
ラレコ氏の生み出す作品は、いずれも魅力のあるキャラクターが特徴的だ。またそのキャラクター性を最大限に引き出しているのがユーモラスあふれた歌である。特徴ある歌声やメロディに心を奪われがちになりそうだが、ここは歌詞にも注目したい。オープニングソングでは、普通あらすじなどで紹介される主人公の名前や性格、家族構成、得意なモノ、苦手なモノなどキャラの特徴が全て歌詞に込められている。はじめて見る人でもオープニングを鑑賞するだけで、作品の世界にスムーズに入り込んでいけるというスグレモノだ。ぜひ第1話のオープニングから見ていただきたい。
【ギャップが生み出すおもしろさ】
両氏の作品に共通している点はギャップから生み出されるおもしろさだ。古代の墓である古墳を今時の行動的なギャルとしている設定や世界征服を企んでいるにもかかわらず人情味あふれる鷹の爪団、兵器なのに柔らかく生き延びることだけを考えていて退却する戦車、人間とくわがたの間に生まれたハイブリッド生命体など、我々が通常持っているイメージを覆した発想をキャラ設定に取り入れたことがこれらの作品を面白くしている。
THE FROGMAN SHOWは既にDVDの発売が予定されているし、くわがたツマミは携帯ゲームにも進出している。FLASHの枠を越え、あらゆる方面に展開していくFROGMAN、ラレコ両氏のこれからの活躍に目が離せない。
【FLASH BACK 200X】GWキャッホーで浮かれ気味の2005年5月作品【古墳GALのコフィー】
ゴールデンウイークヒャッハーな1週間、満喫しておりますでしょうか? そんな最高な日々であった2005年5月は「Flash Game Festival ’05」「第四回FlashMakerコンテスト」 「Perfect Promotion ’05」のイベント開催をはじめ、 「MUZO」「JAWACON」のサイトオープン、第17回 CGアニメ コンテストやCG-Online大賞でFlash bomb’04作品が次々と受賞するなど、久々にFlash界隈が賑わっていた月でした。
■古墳GALのコフィー
前方後円墳型の古墳ギャル・コフィーと仲間たちを描いたセメタリー学園コメディ。登場人物が古墳であるなどシュールな設定ながらも恋や友情など学園ドラマ王道の青春が描かれています。
・蛙男商会
■夏詰
爆走戦隊さんと24Pixelさんのユニット「画爆」名義でPP’05に出展された作品。夏のイメージをこれでもかというくらい詰め込んだMotionGraphicが繰り広げられます。
■ごがつのそら。
巫女さんと新社会人となった青年の出会いを描いた一時期流行りとなったFlashノベルによる作品。大きなイベントがあるわけではなく、ただゆったりとした時間の流れを感じることができる一服の清涼剤のようなストーリーが展開していきます。
・むきりょくかん。
【FLASH BACK 200X】春の到来にむせび泣く男がまとめた2004年3月【菅井君と家族石、ありさんのおそうれつ】
いやーようやく、暖かさを感じられる日々になりましたね。特に雪まみれとなった今年の冬を経験した人にとっては待ち遠しい季節がやってきたかと思えば、花粉症もやってくるという七転八倒なこの頃でございます。2004年の3月といえば「Flash。ひなまちゅり2004!」「FLA・BIGINNERS」など、新年度を迎える季節柄なイベントが開催されていました。
■菅井君と家族石
今ではあらゆるメディアで見かける鷹の爪団を生み出したFROGMAN氏のデビュー作。島根県出雲地方に住むソウルファミリー「菅井家」の日常を描いたナンセンスギャグコメディ。ほぼ動きがないキャラクターが語る巧みな話術で笑いを生み出す異色作でありながら、Flashアニメのテンプレートとして幅広く認知された作品です。
・蛙男商会
■ありさんのおそうれつ
一見楽しそうに見える三人組を描いた作品でありながら、突然切り替わる狂気的な映像とのギャップが斬新な作品。ラストでひとりぽっちになったあーちゃんは蟻の葬列のメタファーであるのかもしれません。
・ありさんとくらげさんがごっつんこ
■甲鉄傳紀 -装脚戦車の憂鬱-
脚がついた戦車の戦いを描いたレトロフューチャーアニメ「甲鉄傳紀シリーズ」の1作品。機動力のある三七式裝脚戰車が普通の戦車では考えられない戦闘を繰り広げます。その他に登場する兵器もディティールにこだわりが見られる作品です。
・弥栄堂
■だれが彼女を幸せだなんて決めたの?
鎮座しているお内裏様とお雛様。仲むつまじいように見えて実は冷め切った関係なのかも。そんな一面をダイナミックに描いた作品です。
・NOT YET~まあだだよ