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クリエイティブが止まらない!『第9回MMD杯本選結果発表』
先月ミクさんが5周年を迎えた中、MMDも思い起こせば様々な表現力・発想力を駆使して、勇気と愛情に溢れた動画が公開されました。第9回本選で投稿された作品は、689作品、総再生時間も42時間と前回より20%以上の成長を続けています。その勢いに驚かされると共に、このまま往くと1000作品を越えてしまうのではないかという期待と不安を抱かせるほどの発展を遂げています。
受賞のカテゴリも細分化され、様々な作品が受賞されています。それでは総合部門とテーマ部門の受賞作品をまとめて紹介。
【総合部門】
■総合優勝:【第9回MMD杯本選】MMDスーパーロボット大戦Z
■準優勝:【第9回MMD杯本選】かわいいと思ったら負け【ガキの使い七変化】
■敢闘賞:【第9回MMD杯本選】 初音ミク ❃ Rera 【ダンス PV】
【FLASH BACK 200X】多大な影響を及ぼした作品が多く生まれた2002年9月【num1000 キッコーマソ さいたま】
当時のFlash板では「50レス目に出たネタでフラッシュ作れ」スレがFlash職人の登竜門として活況でしたが、モナー板からも様々なAAキャラが誕生していました。中でもFlash作品をキッカケとして多大な影響を与えたAAキャラが登場したのが2002年9月でした。
■1000キタ━━━ (゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚) ━━━━!!!!!!!!!!
「50レス目に出たネタでフラッシュ作れ」のPart1スレから誕生した2ちゃんねるFlashにおけるMotionGraphicsの先駆け的な作品。後にnum1000のリミックス企画のイベントが催されたり、当時BM98界隈で人気のあったCranky氏の楽曲がFlash作品に使われるようになったキッカケも本作であることなどFlash職人に多大な影響を与えた作品です。
・スキマ産業
■戦え!キッコーマソ
「醤油入れ」スレにて誕生したキャラクターをアニメOP風に仕立て上げた作品。奇抜な格好が受けたのかOPの歌が受けたのかは定かではありませんが4chanなどで紹介されたこともあり、後に英語版を制作したくらい海外でも大ヒットしたAA Flash作品の1つです。
・Yogatori
■さいたまFLASH
元々は自民党のシンボルマークのパロディであったはずが何故かさいたまを叫ぶようになって、様々なパロディが作られるようになったAAキャラ。当時様々なさいたま作品が集められた「さいたま情報収集所を見るとFlashだけでなく音楽やゲームなど様々なジャンルに展開していたことがわかります。
■機動天使ミカソ
デスクトップ常駐型アプリとして当時人気だった「伺か」をモチーフとしたMAD作品。当時デフォルトゴーストであったさくら(偽春菜)やうにゅうが本作にも登場しますが、キャラクタやプラグインなどを開発・拡張できることから現在も様々なキャラクタが生み出されています。
■TV-Shop
モナーとギコによるテレビショッピング的な作品。当時世間で問題となっていた産地偽装問題を面白おかしく皮肉っています。
・モナ倉本店
【コラム】これまでの初音ミクとこれからの初音ミク【5周年】
■初音ミク5th Anniversary Medley「あにみく!」
・初音ミク5周年(1):「サンクチュアリとしての初音ミク」 ミクと駆け抜けた5年、開発元・クリプトンに聞く (1/2) – ITmedia ニュース
・ASCII.jp:生々しさを動画で実感!アニサマ「初音ミク」ライブのすべて
いつの間にか5年も経っていたことが一番の驚きですが、動画や最近の記事を見つつ初音ミクにちょっと思いを馳せてみました。
●これまでの5年
まさかコンビニを初音ミク一色に染めたり、世界的な企業のCMに登場したりすることなどみっくみくにされた当初は誰も思わなかっただろう。既存のメディアに乗ったことが知名度を底上げしたのは確かだけど、既存のビジネスモデルが限界に来ている分野では、正直伸びしろはそれほど長くないと思っている。
またここまでの盛り上がりを見せたのはニコ動やピアプロなどの場があったのも1つの理由だと思うが、もう1つ重要なポイントはたとえユーザー主導のメディアであってもある程度のコントロールがCGMの成功の秘訣であるということ。
コントロールとはキャラクターを利用する上での一定のルール・制約やビジネス面での方向性である。初音ミクは、企業が生み出した商品であるがゆえ、早い段階から利用上の制限を設けていたことが成功の要因の1つだと感じている。
かつて2000年初頭にもCGMの先駆けとしてネットで盛り上がったキャラクターがいた。ご存じ2ちゃんねるのモナーだ。
ただのアスキーアートであったキャラクターは、2ちゃんねらーの手によってギコやしぃ、ゾヌ、1さん、8頭身など様々な派生キャラクターが生まれ、初音ミク同様、イラストや音楽、動画などのコンテンツを通してネットの外にまで影響を及ぼそうとしていた。しかしルールがないがために商品化の話が持ち上がるたび、著作権や肖像権などの権利関係で騒動を起こし、盛り上がりに冷や水を浴びせられてきた経緯がある。
もともとユーザーが生み出したキャラクターのため権利関係があいまいになって仕方ないと思う一面もあるが、もし2ちゃんねる運営側が一定のルールを設け、商品化に対して調整を働きかけていたらもしかしたら今とは違った未来を見ることができたのかもしれない。
●これからの5年
さてこれまでの5年を振り返った次は今後の展開を考えてみよう。やはり音声合成であるところがベースであるため音楽ジャンルを中心とした展開やキャラクターを前面に押し出したコラボ商品が中心となるだろう。歌ではなく声としての実用性が高まればTVやラジオ番組のMCやナレーションとしての活用も考えられる。
しかし技術面で見れば、声やモーションなど様々な技術を集結した究極の形はアンドロイドロボになるのではないかと思う。「HRP-4C 未夢」を見たときは少なからず衝撃を受けたが声だけでなく姿形までそっくりなロボットが誕生したとすると、もしかしたら映像ではないリアルな姿の初音ミクライブを見られる日が近い将来訪れるかもしれない。
最後に以前とある誌面に寄稿したとき、初音ミクの魅力の原点は“可能性”であるということを述べたが、その思いは今でも変わらない。拡張現実や産総研のVocaListener、樋口優氏が作成した3DCG動画作成ツールMMDなど先進的な技術とのコラボレーションをはじめ、ゲーム化、アニメ化などのメディアミックスが起きるたびにVOCALOIDファンを魅了してきた。初音ミクは何かを生み出す可能性を秘めた存在なのだ。初音ミクがそんなイノベーションの象徴であり続ける限りこれからもVOCALOID界隈は盛り上がっていくのではないかと思う。