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【CloseUp Flash Reloaded】オンラインイベント「紅白FLASH合戦2008」
昨年12月28日から31日まで「紅白FLASH合戦2008」が開催された。みんなで年末、色んな動画・FLASHを見て楽しく年を越すことをコンセプトに行われている本イベントでは、今回動画共有サービスとして大きな躍進を果たしたニコニコ動画と提携したことで露出機会の増加を図るなど新たな試みが行われていた。その他にもパンフレットやWEBラジオ、紅白ひろばなど参加者や視聴者双方のコミュニティを活性化する様々な企画が行われた。今回は本イベントで公開された作品の中から注目の作品をダイジェストで紹介しよう。
■2008紅白FLASH合戦オープニング「みちひか」
昨年に続きオープニングを担当したハタラキ有氏の作品は、紅白に分かれたAAキャラ達の創作に懸ける熱く激しい想いが描かれており、これから始まるイベントへの期待感を否応なく高めてくれます。
・ハタラキ有
■やるおクエスト
どこかで見たことあるようなタイトルロゴが印象的なダンジョンRPG。ゲーム機器を題材としたゲームですが、主人公のやるおの他、初音ミクやゆっくりれいむなど今年人気を博した様々なキャラが登場します。
・Cのアトリエ
■市況戦艦AAT
2008年を大きく賑わせた株式市場…その株ネタをAAキャラによる宇宙戦争に例えたアニメーション。時事ネタを織り交ぜながら株式の仕組みを分かりやすく紹介した秀作です。
・ミーキャット
■せっせっせ
鶏のマスクを被った人の踊りや、目のないお札の人物、シンメトリックな情景など、紅白FLASH合戦2008の作品の中で一際異彩を放つエジエレキ氏の作品は強烈なインパクトながらもクセになる魅力があります。
・マタタビアソビ
■Crosses
音と光の幻術師としてお馴染みのyama_ko氏の作品は、緩やかなメロディに乗せて水面に揺れながら光のシャワーが降り注ぐ幻想的なMotionGraphicsです。
・Mattari Factory
【CloseUp Flash Reloaded】2008年下半期FLASHムービー総括
今年も残すところあと1週間余りとなった2008年。ニコニコ動画の躍進やこれまで第一線で活躍してきたFlashクリエイターが相次いで作品をDVD化するなど映像コンテンツ事業が本格化した1年であった。ネット上でもニコニコ動画に公開されたFlash作品が注目を浴びるなど、下火と捉えられていたFLASHの根強い人気が感じられた。そこで今回は2008年下半期にニコニコ動画で人気を得たFLASHムービーを紹介する。
■チルノのパーフェクトさんすう教室
今年11月に発売されたイオシスの東方アレンジアルバム「東方氷雪歌集」に収録されている同曲のPV。イオシスのPVはカギ氏をはじめこれまでFlash界隈で著名なクリエイターが担当してきた。てとら氏もその一人であり、デフォルメされた可愛らしいキャラクタが特徴的でサークル「迷走ポタージュ」でも東方関連のPVを数作品制作している。
『前回、キャラの目がきもいと言われたのでキャラのバランスや目の描き方を変えました。あとは動かし方もなるべくスムーズに動くように。今回の製作では楽しみながら作れてやる事やネタなどは意外とすんなり出てきました。』(てとら氏)
ニコニコ動画では公開から半月ほどで100万再生を越え数多くのオマージュ作品を生み出すなど東方アレンジPVの中では今年1番のメガヒットとなった。
『予想以上の盛り上がりでただただ驚くばかりです。これも楽曲のノリのよさの影響だとは思いますがそれの製作に携われた事が最大の喜びです。視聴された方はもちろん、コメントで盛り上げたりコメントアートを張っていただいた方に感謝です。コロンビアを見るたびに吹いてしまいますw』(てとら氏)
・てとらぽっと -TETLA POT-
■エピデミク・ガール【初音ミク】
■【初音ミク】ゆっくりしていってね!!! 【PV】
じわじわと拡がってくる魅力にいつしか夢中になっている作品の多いhiro氏が手がけた初音ミクのPV作品。今年Flash界隈の中で最も注目を浴びたクリエイターの一人ではないかと個人的に思う。これまでMotionGraphicsを中心とした作品が多かったが、本作品の中でも音とシンクロした心地良い映像が印象的だった。
『ニコニコ動画で初音ミクのFLASH製PV作品「【初音ミク】ミラクルペイント【PV】」を見たことがきっかけで制作しました。同じく自分もFLASHでPVを作ってみたいッ!と思わせる作品でした。』(hiro氏)
またhiro氏に初音ミクPVの制作で気を使った点やニコニコ動画での反響について伺ってみました。
『各楽曲の雰囲気(ゆっくりはHARD、エピデミはCOOL)を壊さないように気を配りました。キャラクターのアニメーションは少ない絵を反復して効率よく見せています。ニコニコ動画で多くの人に視聴して頂けたことは大変嬉しいです。これからも気まぐれで作品を作っていくと思いますので、よろしくお願いします。』
最近は個人のホームページでオリジナルのFLASHムービーを見ることが少なくなってきているが、ニコニコ動画という場と東方Projectや初音ミクといった人気コンテンツの周りでは、まだまだ数多くのFLASHムービーが生まれていることが感じられた1年であった。来年は個人制作のFLASHムービーにも注目が集まることを期待したい。
今年公開されたFLASHムービーは今回取り上げた作品以外にも数々の良作があるので、それらをまとめて紹介したイイ・アクセス: 2008年FLASH総括もあわせてご覧いただきたい。
【CloseUp Flash Reloaded】2008年上半期FLASHムービー総括
今年もあっという間に半年が過ぎ去ってしまった2008年、FLASH界隈もオンライン/オフライン共にイベントが少なくなるなど以前の活気が見られなくなってきた。一方で公開の場をニコニコ動画に移したFLASHムービーのいくつかは10万を越える再生数を得るなど、元ネタの影響力があるものの、まだまだFLASHの根強い人気が感じられた。そこで今回は2008年上半期にニコニコ動画で人気を得たFLASHムービーを紹介する。
■イー・アル・カンフーで、ラップにアニメ動画をつけてみた。
先週の『ニコニコ動画考-「歌ってみた」編』で紹介したヒャダイン氏によるイー・アル・カンフーをラップ調にアレンジした曲をアニメ化したFLASHムービー。最新の話題から昔のゲームなど様々なネタが作品全体に散りばめられており、最後まで楽しく見ることができる人気作品である。どのようなキッカケでこの作品を作ろうとしたのか制作者のDNA氏に伺ってみました。
『曲を聴いてパッとシーンが次々浮かんできたんですね。5回くらい聞いたらほぼ完全にイメージが出来上がりました。 ヒャダインさんの曲はキャラは沢山出てくるし、ストーリーはあるし小ネタ満載だし、音楽の域を超えたエンターテイメントという感じなので、それに魅せられました。 あとおくせんまんもそうでしたが、ファミコンネタには本当にすぐ食いついてしまいますね。ファミコラボです(笑)』
ファミコン世代の人たちには懐かしさを与え、それ以外の世代の人たちにも小ネタで上手くフォローしていたことが、多くの人たちが見た理由かもしれませんね。
『沢山の方に見ていただいて本当に嬉しいです。すべての動画に共通しているのですが、仕込んだネタに反応してくれるのが最高に嬉しいですね。』(DNA氏)
・DNAのどうRO
■ミラクルペイント PV
OSTER氏作曲の初音ミクの歌「ミラクルペイント」のPV作品。ねんどろいど的な2.5頭身の初音ミクが踊り歌う可愛らしい作品。作品全体から原曲のリスペクトと愛が感じられる。またFLASH版には思わずニヤニヤしてしまうちょっとした仕掛けが施してある。詳しくは制作者のブログをご覧頂きたい。今回初音ミクの歌をPV化しようとした経緯をfla3氏に伺ってみました。
『とにかくオリジナルの楽曲と絵に惚れた。これにつきます。オリジナルを観て頭に浮かんだ物を形にしたい衝動をおさえられなかったということです。
制作期間は3ヶ月かかったのですが、苦労を感じた部分はありません。とにかく楽しかったです。強いて言えば、仕事から帰ってきて睡眠時間をチョットずつ削りながらの作業だった点だけですね(笑)』
初音ミクでは3D系のPVが多い中、ここまで大きな反響を得た理由はどのようにお考えでしょうか。
『オリジナルが初音ミク屈指の名曲ですのである程度うける自信はありましたが、ココまでとは思っていませんでした。ここまで反響があった要因は
1.オリジナルのイメージを壊さない様に心がけた
2.2Dでちょこまかと動き回るタイプのPVはニコニコ動画ではあまり無かったので新鮮だった
3.俺の愛が伝わった(笑)
という事だと思います。あと作曲者が2ゲットでリンク張ってくれた点が大きかったですね(笑)』(fla3氏)
・fla3 flashやってます
■「行列のできるえーりん診療所」PV
先月開催された博麗神社例大祭においてIOSYSより頒布された「東方真華神祭」に収録されている同曲のPV作品。えーりんをはじめとしたデフォルメキャラの魅力に人気のあるtake氏の東方関連のPV作品は、どのように制作されているのかご本人に伺ってみました。
『どの作品においても基本的に絵に動きを入れるのが苦手なので、そこの部分がとても苦労しました。毎日徹夜もかなり辛いです。でもニコニコ動画等で初めて自分が制作した作品のMADが作られたときの感動は忘れられません。本当にありがとうございます。また、作品に対してコメントが貰えることがどれだけ幸せなことなのかを実感しています。』(take氏)
・Toxic Landfill
制作者の「楽しんで作ることができた。」「みんなに見てもらえて嬉しかった。」といった意見が共通的であり、創作活動の原点を改めて感じさせられた。またそのような感情を喚起させることが、ニコニコ動画の人気を支えている一つの理由であるのかもしれない。今年度下半期もこのようにみんなが楽しく見ることができるFLASHムービーの登場を期待したい。