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【CloseUp Flash Reloaded】2008年下半期FLASHムービー総括


今年も残すところあと1週間余りとなった2008年。ニコニコ動画の躍進やこれまで第一線で活躍してきたFlashクリエイターが相次いで作品をDVD化するなど映像コンテンツ事業が本格化した1年であった。ネット上でもニコニコ動画に公開されたFlash作品が注目を浴びるなど、下火と捉えられていたFLASHの根強い人気が感じられた。そこで今回は2008年下半期にニコニコ動画で人気を得たFLASHムービーを紹介する。



チルノのパーフェクトさんすう教室


今年11月に発売されたイオシスの東方アレンジアルバム「東方氷雪歌集」に収録されている同曲のPV。イオシスのPVはカギ氏をはじめこれまでFlash界隈で著名なクリエイターが担当してきた。てとら氏もその一人であり、デフォルメされた可愛らしいキャラクタが特徴的でサークル「迷走ポタージュ」でも東方関連のPVを数作品制作している。

前回、キャラの目がきもいと言われたのでキャラのバランスや目の描き方を変えました。あとは動かし方もなるべくスムーズに動くように。今回の製作では楽しみながら作れてやる事やネタなどは意外とすんなり出てきました。』(てとら氏)

ニコニコ動画では公開から半月ほどで100万再生を越え数多くのオマージュ作品を生み出すなど東方アレンジPVの中では今年1番のメガヒットとなった。

『予想以上の盛り上がりでただただ驚くばかりです。これも楽曲のノリのよさの影響だとは思いますがそれの製作に携われた事が最大の喜びです。視聴された方はもちろん、コメントで盛り上げたりコメントアートを張っていただいた方に感謝です。コロンビアを見るたびに吹いてしまいますw』(てとら氏)


てとらぽっと -TETLA POT-


エピデミク・ガール【初音ミク】


【初音ミク】ゆっくりしていってね!!! 【PV】


じわじわと拡がってくる魅力にいつしか夢中になっている作品の多いhiro氏が手がけた初音ミクのPV作品。今年Flash界隈の中で最も注目を浴びたクリエイターの一人ではないかと個人的に思う。これまでMotionGraphicsを中心とした作品が多かったが、本作品の中でも音とシンクロした心地良い映像が印象的だった。

『ニコニコ動画で初音ミクのFLASH製PV作品「【初音ミク】ミラクルペイント【PV】」を見たことがきっかけで制作しました。同じく自分もFLASHでPVを作ってみたいッ!と思わせる作品でした。』(hiro氏)

またhiro氏に初音ミクPVの制作で気を使った点やニコニコ動画での反響について伺ってみました。

『各楽曲の雰囲気(ゆっくりはHARD、エピデミはCOOL)を壊さないように気を配りました。キャラクターのアニメーションは少ない絵を反復して効率よく見せています。ニコニコ動画で多くの人に視聴して頂けたことは大変嬉しいです。これからも気まぐれで作品を作っていくと思いますので、よろしくお願いします。』



最近は個人のホームページでオリジナルのFLASHムービーを見ることが少なくなってきているが、ニコニコ動画という場と東方Projectや初音ミクといった人気コンテンツの周りでは、まだまだ数多くのFLASHムービーが生まれていることが感じられた1年であった。来年は個人制作のFLASHムービーにも注目が集まることを期待したい。
今年公開されたFLASHムービーは今回取り上げた作品以外にも数々の良作があるので、それらをまとめて紹介したイイ・アクセス: 2008年FLASH総括もあわせてご覧いただきたい。

【CloseUp Flash Reloaded】オンラインイベント「Perfect Promotion’08」


先月30日にPromotion Video(PV)や Motion Graphics(MG)等のムービーを発表するイベント「Perfect Promotion’08」が開催された。今年で4回目を迎える本イベントでは昨年同様、不特定多数の審査員による色彩・構成力・魅せ方・応用力・音同期などの事前審査により厳選されたプロモーションビデオやモーショングラフィックスが発表された。今回は、本イベントから3作品を紹介しよう。



FUN


70年代のゲームセンターで主流だったテーブル筐体とその表示部分をモチーフにしたレトロな雰囲気のモーショングラフィックス。ドットキャラが音に合わせて動く姿は、30代の人には懐かしさを感じることだろう。
「映像と音楽の同期を重視しました。例えば“筐体の振動=バスドラム”といったように映像と音色にはある程度の関連性があります。しかし音同期のために楽曲を何回も聴いて、キーフレームでアタリを付けていく作業が大変でした。」(hiro氏)
音と映像の動機が心地よさを生む…そんなモーショングラフィックスの原点を再認識してくれる作品かもしれません。


Takt


音符やコードなどの文字記号を鮮やかな映像で表現したモーショングラフィックス。オーケストラをモチーフとした本作品は、普段モーショングラフィックスをあまり見ない人でも楽しみやすくするために、軽くてノリのよい音楽や配色・カメラワークに気を遣って作られているそうだ。
「ポップ、タイポグラフィという二つのテーマに挑戦してみました。またポップな作風にするため、並びにFlashの利点を再確認するため、あえてFlashのみで作っています。また画像・グラデーション・フィルタを使用せずに作りました。さらに大量の文字やオブジェクトを動かすために、FlashのJSFLコマンドを作って操作ました。」(yama_ko氏)
制作に関する詳細な内容がブログに公開されているのでモーショングラフィックス制作に興味のある方は、あわせてご覧ください。

Mattari Factory



今回紹介した作品の他にも厳選された作品が公開されている。いずれも審査を通過した折り紙付きの作品なので是非公式サイトからご覧頂きたい。