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【CloseUp Flash Reloaded】オンラインイベント「Flash Game Festival’07」


今月の2日から5日にかけてFLASHゲームを中心としたイベントである「Flash Game Festival’07」が開催された。本イベントは5/5の子供の日にゲームを持ち寄るイベントが発端となり、今回で5回目を迎えた。主催は、オフラインイベント『映夜祭』の主催でお馴染みのまっつん氏。氏によると今回のイベントでは数多くのジャンルの作品がそろい、アイデアや絵にこだわりを感じさせる作品が多かったという。Wii対応のFLASHゲームが登場するなど、イベントの主旨である新しい可能性の追求と楽しさが個人的にも感じられた。それでは本イベントの中から注目の3作品を紹介しよう。



卓袱台のある風景
卓袱台のある風景
卓袱台が入手出来ずにモンモンとした日々を過ごしている人々への、卓袱台返しシミュレータ。今年から新たに設けられたインタラクティブコンテスト部門において多くの人がこの作品にハマったのは、回転数を競うようなランキング的な要素や誰もがわかるシンプルさが受けたからではないだろうか。
「卓袱台をひっくり返した時に、偶然に1回転、時には横向きになるだろうと思いついたのが始まりでした。焼けた畳や赤いダイヤル式のテレビ、それに卓袱台と言う一寸したノスタルジックを味わいながら、存分に回して頂ければ幸いです。」(Akkii氏)
落下した後の卓袱台の立ち位置に極め技の名前が付けられているなど、ゲームの面白さにちょっとしたアクセントが加えられていることにも注目だ。

くだらないページ



ゴルアーガの塔
ゴルアーガの塔
宝箱を出してアイテムを集めながら鍵を取って扉を抜けて次のフロアに進み、敵を倒したり避けたりしながらツッコミ所が多い塔の一番上を目指すアクションロールプレイングゲーム。20~30代の人には懐かしさを感じさせるこのゲームは、多くのマップやアイテムがあるだけではなく謎解き要素もあるので多くの人が熱中した。
「宝箱の出現条件は原作同様難解なものとなっております。知り合いがいるならば、協力して攻略するのが良いでしょう。メモを取って表にまとめるのも良いと思います。確かにヘルプの印刷は最終手段で重度のネタバレですが、例え全ての宝箱の出現条件を知っていたとしても、純粋なアクションとして楽しめるような作品に仕上がったと思います。」(蚕蛾氏)
クリアするまでには時間を要するかもしれないが、オートセーブ機能が備わっているのでじっくり楽しんでいただきたいゲームである。

蚕蛾総合集積所

【CloseUp Flash Reloaded】葉月ゆら特集


現在のFLASHムービーには声優やBGMとなる曲を提供してくれるアーティストの存在が欠かせない。彼らの協力によってFLASHによるアニメやPVのクオリティが向上することは、これまでCloseUp Flashで紹介してきた作品が証明しているだろう。今回はそんなFLASHムービーを彩る存在であるシンガーソングライターの葉月ゆら氏に注目し、彼女の歌を用いたFLASH作品の紹介やインタビューからその魅力を探ります。



人魚姫
人魚姫
人魚姫をベースとした物語であるが童話にあるような話ではなく、より現実的なテーマの元に作られている。人魚としての水中での生活から困難な陸での生活を決意することで、楽しかった子供の生活に別れを告げ精神的に大人へと成長していく姿が表されている。それらはストーリー中に数多く現れる隠喩的な演出から見て取ることができる。
「少女が女性になる日。自分の内面が変わっていく様子を楽曲に合わせて表現しました。勉強中さんの『宝石の街』を拝見した時から、いつかゆらさんの曲を使ったPVを作ってみたいと思っていました。歌詞と映像との相互作用に気を配ったつもりです。」(イズ氏)
愁いを含んだ葉月ゆら氏の歌声が、雰囲気を盛り立てていることを感じ取れるのではないだろうか。

ガラスの水槽



蜂物語


ピンクの服のハチコ、青い服のハチミという二匹のハチが女王蜂になるために競争する物語。対極的な生い立ちによりハチコをライバル視しながらも常に憂き目に遭うハチミであるが、葉月ゆら氏の脱力的で癒しのある歌声により、どこまでも明るく演出されているためか楽しく見ることができる。
「キャラクターのアニメーションを最小限に留め、また全体的にグラデーションを使わないことで制作期間の短縮を図りました。とはいえ、ただ動かないだけではつまらなくなるので、ハチコ達が空を飛ぶ動きや背景など他の場所に時間をかけ、シーンをテンポ良く切り替えるようにする事で見る人が飽きないよう心がけました。」(コウキ氏)
コウキ氏のサイトのTOPページには、7月に発売されるオリジナルミニアルバムのCMフラッシュもある。ごちらも是非ご覧頂きたい。

勉強中



Amadeus short.ver
Amadeus short.ver
葉月ゆら氏の楽曲をジャンヌダルクの世界観に重ね合わせて作られたPV。昨年開催されたオンラインイベント『MM3 臨海学校の夏』に出展された作品であるが、静かに燃える情熱を感じさせるジャンヌの姿を描いた本作は、“萌え”をテーマとしたイベントの中においてひときわ異彩を放つ作品として注目された。
「ネットという公衆の面前で公開を行うのであまり残酷なシーンを使わずに、いかにしてジャンヌダルクの戦乱の残酷さを表現しようとしたことは苦労しました。」(ゆう氏)
荒廃した戦場などの背景や鮮血がBGMと相まってジャンヌダルクの悲運を感じさせている。

mafumafuするところ

【CloseUp Flash Reloaded】春の風物詩をテーマとしたストーリー


新学期・新年度を迎えた4月は生活環境が変わったり、新しいことにチャレンジしたり、何かが始まるスタートの季節である。CloseUp Flashをご覧頂いている皆さんの中にも、新たな生活や活動を始めた人も数多くいるだろう。そこで今回は春のこの時期ならではの風物詩をテーマとした特集第1弾として、進学・就職をテーマとしたFlashムービーを紹介しよう。



りれきしょ
りれきしょ
制作者の就職活動の一環で「自己PRを可視化する」というテーマを元にして制作された物語。履歴書そのものを舞台にラクガキしたキャラクタが突然動きだし、これまでの活動を再現することで自分の夢を再認識させる演出が清々しく描かれている。
「履歴書というのは自分自身の過去(経歴)、現在(趣味、特技)、未来(志望理由や将来の夢)といったものを一つにまとめてアピールするものだと思い、自身のできるFLASH制作の技術とあわせ「飾らない、自分自身の正直な気持ち」を見る人にわかってもらえるよう努力しました。今回はそれにあわせアニメーションもシンプルながら細かな動きに気をつけました。」(暇津氏)
シンプルであるが故に、建前でない本音がストレートに伝わってくる作品だ。


スタヂオひまつぶし



想い桜
想い桜
桜の木に託す一つの想いと、決意を描いた物語。桜といえば花見や入学などを思い浮かべるが、本作品はそんな季節の移り変わりとは反対に、時が止まってしまい一人取り残された物悲しさが描かれている。しかし取り残された人は生きている以上前に進まざるを得ないため、過去に囚われた自分との決別を意識する。そんな想いを後押しするかのような桜の散り様がなんとも印象的だ。
「忘れられない想いを無理に忘れる必要はなくて、大切な想いは心にしまったまま悲しみとだけ決別すればいい。そんな気持ちを誰かに少しでも伝えられたらと思い、このFLASHを制作しました。ただ切ないだけではなく、見た後に心がそっと暖かくなれるような作品を目指しました。」(ぽけっと森氏)
セリフや動きを最小限に抑えたシンプルな映像であるがゆえに、そこで伝えようとしているモノを探りだそうと思いを巡らしてしまう作品である。


ぽっけ森