【CloseUp Flash Reloaded】緊迫感あふれる時代劇FLASH


水戸黄門や忠臣蔵など日本の文化として根付き、今なお多くのファンに支持されている時代劇。そこには剣劇によるアクションだけではなく、人と人の間に生まれるドラマや現代人に失われがちな「美徳」、「奥深さ」がある。だからこそ我々日本人のこころを惹きつけて放さない魅力があるのではないだろうか。今回はそんな日本の魅力あふれた時代劇をテーマとした物語を紹介する。




土煙高田馬場

赤穂浪士四十七士の一人である堀部安兵衛の若き日のエピソードを描いた「高田馬場の決闘」のクライマックス部分をアニメ化した物語。FLASHオフラインイベント「flash★bomb’05」のトリを飾った本作は、躍動感あふれる動きを着物姿の人物で描く確かな画力、そして随所に見られる小ネタなどがエンタテイメント性のある時代劇アニメとして大きな反響を呼んだ。
「『高田馬場』を選んだのは、話が分かりやすく、セリフ抜きで音楽に乗せて一気に作れるし、ギャグなどの味付けも挿入しやすいと思ったことが大きな理由です。しかし、ただひたすら突っ走るだけなので、途中どんなイベントを入れようか、かなり悩みました。ただお話として200年以上も持ちこたえているのは、お堅い忠臣蔵のイメージとのギャップがあるからではないかと思います。どんなカッコいい奴でも、人に言えないような失敗談の10や20は持っています。主人公のくやしい気持ちが伝われば嬉しいです。」(日暮里本社氏)
また日暮里本社氏によると義理の叔父との関係を単純に表現するために小説に無い設定を用意したそうである。制作者のイメージを膨らませることによって、物語をよりドラマ性のある展開にすることができるのもFLASH制作の魅力の一つであろう。

Poo’s WORLD



巌流島

宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘を描いたアニメーション作品。今もなお多くの謎を残している結末を斬新な解釈で演出されているのが印象的だ。また、様々なカメラワークによって見せる間合いや、スローモーションで展開される一撃などが緊迫感あふれる映像を作り出している。
「この作品を作った頃はFLASHを初めて数ヶ月の頃でしたので、いろいろ手探りの中で作品を作っていました。技法としてはモーショントゥイーンという機能を主に使用しています。当時は、この機能を多層的に使用することで、アニメーションっぽい映像を作ることができることに喜びがありました。」(大沢駿氏)
アニメーションというとコマアニメに注目が集まりがちであるが、シーンによってはモーショントゥイーンも有効な手段であることを実証した作品と言えるかもしれない。

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